2008年08月24日

百万の手(畠中恵)

僕、音村夏貴はときどき過呼吸の発作を起こす十四歳。
ある日、親友の正哉が目の前で焼死してしまった。どうして…。
悲しみにくれる僕の耳に、慣れ親しんだ声が聞こえてきた。
死んだはずの正哉が携帯から語りかけてきたんだ!
あの火事は不審火だった!?真相を探るために僕は正哉と動き出す。
少年の繊細な心の煌めきを見事に描いた青春ファンタスティック・ミステリの傑作。

「しゃばけ」の畠中恵氏のミステリー。

今回は江戸時代のお話ではなく、現代が舞台。
不妊治療やクローン技術など、現代の問題がキーワードとなっており、「しゃばけ」シリーズとはかなり毛色が違います。

読み終わった感想は、「何か勿体ないなぁ」と。

巻末の解説に坂木司氏が寄せているとおり、「贅沢なガジェットが詰め込まれすぎていて、勿体ない状態になっている部分が多々ある。」のである。

和美のエピソード然り、母親の主人公への感情然り、何か消化不良というかもう少し顛末を言及して欲しいものが多々ある。

「この会話はあの人が犯人だという伏線なんだろうなぁ」と思ったら、犯人は普通にお前かよ!?みたいな感じで回収されず仕舞い。
もしかしたら犯人を間違えさせるミスリーディングなのかもしれないし、回収できなかったのかもしれないし、伏線でも何もなかったのかも知れない。

しかし、「正哉が携帯電話から語りかけてくる」という設定は必要だったのだろうか。
死後の正哉とコンタクトを取って調査を始めるにはこれしかなかったのかもしれないが、この部分だけ完全に非現実的なファンタジーとなってしまっているのが残念である。

不満ばかり書いてしまっているが、面白いので読む価値はあると思う。

おすすめ度★3つです。

百万の手

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